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小学校の入学が近づくと、何から準備すればよいのか迷う保護者の方は多いでしょう。ひらがなや計算を先取りすべきか、生活面を整えるべきかと悩む場面もあります。しかし、就学前に身につけさせたいことは、学習面だけではありません。生活習慣、人との関わり方、学びへの興味といった土台が整っていると、入学後の環境にもなじみやすくなります。

本記事では、就学準備として押さえておきたいポイントと、家庭で無理なく進めるコツを紹介します。

【生活・社会・学び】就学前に身につけさせたい基本のポイント

就学前の準備は、生活、社会、学びの3つに分けて考えると整理しやすくなります。ここでは、入学までに少しずつ身につけておきたい基本のポイントを順番に見ていきましょう。

規則正しい生活習慣

小学校では、決まった時間に登校し、時間割に沿って1日を過ごします。生活リズムが整っているかどうか、規則正しい生活習慣が身についているかは一番重要で、学校での学びや身体の成長にも大きく関わってくることです。まずは次の点を確認してみてください。

・早寝早起きを意識し、夜は決まった時間に寝て、朝は決まった時間に起きる
・朝食をとってから家を出る流れを、毎日の習慣にする
・着替えや持ち物の準備を、できる範囲で自分で進める
・トイレを済ませ、手洗いまでひとりで行う

特に小学校では、「ひとり」でやらないといけないことが増えます。例えば休み時間のうちにトイレへ行くなど、「自分から動く」場面が増えます。そのため、身のまわりのことを自分でできる状態にしておくと、本人の自信にもつながるでしょう。

集団生活につながる社会性

小学校では、同じ年齢の子どもたちと長い時間を一緒に過ごします。幼稚園や保育園でも集団生活を経験していますが、人数や活動内容、環境も変わるため、改めて意識しておきたいポイントがあります。

・「おはよう」「ありがとう」「ごめんね」といった言葉を伝えられる
・順番を待つ、物を貸し借りするなど、集団のルールを理解する
・先生や大人の話を、最後まで聞く姿勢を身につける
・困ったときに、自分の言葉で助けを求められるようにする

なかでも大切なのは、困ったときに「助けてほしい」と伝える力です。教室では、先生が全員の様子を同時に見ているわけではありません。そのため、わからないことや、つらいことを自分の言葉で伝えられると、トラブルを小さいうちに解決できます。

また、就学前の年長時期になると、保育園や幼稚園では小学校訪問や小学生との交流行事、当番活動などを通して、集団生活のルールや『小学校への期待感』を育む取り組みが行われています。

加えて、幼稚園などの集団生活の場では、運動会や発表会といった行事をみんなでやり遂げる体験や人前で発表する体験、グループでの活動、異年齢での活動などが行われます。こうした集団での様々な体験を通じて、ルールを守る協調性や、最後までやり抜く力(非認知能力)が自然と育まれていきます。

小学校への興味を育む基礎的な学び

就学前の学習準備では、教科書の先取り学習をする必要はありません。それよりも「学ぶことの楽しさ」や「文字や数字への興味」を育むことが大切です。少なくとも自分の名前を平仮名で読んだり、書いたりできる状態を目指すとよいでしょう。

自分の靴や持ち物に書かれた名前が読めると、落とし物を防ぐことにもつながります。数字については、1から10まで順番に数えられたり、目の前にあるお菓子の個数を正しく把握できたりすることも必要なことです。

また、椅子に座って一定時間集中する習慣をつけておくこともおすすめです。お絵描きや折り紙、絵本の読み聞かせなどを通して、落ち着いて座る経験を積んでおくと、授業へのハードルが下がります。

就学前の学びで大切なのは、知識の暗記ではなく『知りたい!』という探究心です。現在では多くの保育園や幼稚園で、遊びや生活の中で自然と文字・数に触れられる工夫がなされています。

小学校入学前に家庭で進める就学準備のコツ

ここでは、親子で楽しみながら取り組むための意識や、肯定的な声かけのポイントについて解説していきます。

遊びや日常生活の中で楽しく取り入れる工夫

就学準備のために、わざわざ机に向かう時間を設ける必要はありません。毎日の遊びや家事の中に少しずつ取り入れるだけでも、十分な効果が期待できるでしょう。たとえば、次のような方法があります。

・買い物の時に、商品の数や値段を一緒に数える
・お手伝いとして、食器を運んだり洗濯物をたたんだりしてもらう
・散歩の途中で、看板の文字や信号の色を話題にする
・カルタやしりとりなど、言葉を使った遊びを取り入れる

遊びの延長であれば、子どもも「勉強している」と構えずに取り組めます。楽しい経験として積み重ねていくことが、無理なく続けるポイントです。

できたことを認める声かけ

準備を進めるうえでは、声のかけ方も意識したいポイントです。できていないところを指摘するより、できたことに目を向けるほうが、子どもは次の行動に移りやすくなります。「早く支度しなさい」と伝える代わりに、「ひとりで靴下がはけたね」と具体的に伝えてみましょう。結果だけでなく、取り組んだ過程にも触れると、自分の努力を見てもらえていると感じられます。

また、失敗したときも、すぐに叱るのではなく、「途中まで頑張れたね」「次はどうしたらいいかな」と前向きな言葉をかけてみてください。親が見守ってくれる安心感があると、子どもは失敗を恐れずに挑戦できます。

周りと比べず焦らないペース配分

入学が近づくと、周囲の子が先にひらがなを書けたり、習い事をはじめたりする様子が気になることもあるでしょう。しかし、就学前の発達には個人差が大きく、同じ年長であっても成長のスピードや得意不得意は一人ひとり異なります。

一度にたくさんのことを詰め込もうとすると、子どもが負担に感じてしまい、小学校にネガティブなイメージを持つ原因にもなりかねません。他の子との比較ではなく、昨日より少しできるようになったかという視点で見ていきましょう。

なぜ必要?就学準備が必要な理由とはじめるタイミング

幼稚園や保育園から小学校への進学は、子どもにとって大きな環境の変化です。園生活との違いに戸惑わないためにも、入学前から少しずつ心と生活の準備を進めておくとよいでしょう。ここでは、就学準備が必要な理由と、取り組みはじめる時期の目安を整理します。

入学後の生活環境の変化

基本的に園生活と小学校の大きな違いは、時間割に沿って、自分で行動する場面が増える点にあります。園では先生が細かく声をかけてくれていた場面でも、小学校では自分で判断して動く機会が増えていくでしょう。

たとえば、45分間の授業時間中は、自分の席に座り続けなければなりません。チャイムが鳴ったら、次の授業に向けて自分で準備する必要もあります。

さらに、送迎バスや親の付き添いがなくなり、徒歩での集団登校や一人での通学がはじまる点も大きな変化です。安全な道路の歩き方や交通ルールをあらかじめ確認しておくことも、子どもの安全につながります。

子どもが戸惑いやすい場面

入学直後は、特に次のような場面で戸惑う子どもが見られます。

・授業中に長く座り続けることに慣れず、疲れてしまう
・トイレに行きたいと言い出せずに我慢してしまう
・給食があわない、もしくは、時間内に食べきれず、焦ってしまう
・持ち物の管理がうまくいかず、忘れ物が増えてしまう

こうした戸惑いは、多くの子どもが経験するものです。ただ、事前に生活面や人との関わり方を練習しておくと、慌てる場面を少なくできます。環境に慣れるまで一定の時間がかかることも、念頭に置いておきましょう。

準備をはじめる時期の目安

就学準備をはじめる時期に、決まった正解はありません。ひとつの目安としては、年長に進級した後(5歳児クラスの春)が挙げられます。年長クラスに進級すると、保育園や幼稚園でも「自分の持ち物は自分で管理する」「時間を意識して行動する」など、小学校生活を見据えた基本的な動作が日々の過ごし方の中に自然と組み込まれていきます。

ご家庭だけで全てを準備しようと焦る必要はありません。日頃から園での様子を先生と共有し、園と家庭で協力しながら無理のないペースで就学準備を進めていきましょう。

秋ごろには、多くの自治体で就学時健康診断の案内が届きます。小学校の雰囲気に触れる機会にもなるため、入学を意識するよい節目になるでしょう。さらに、入学の2〜3か月前になったら、登校時間に合わせた起床や、ランドセルを背負って歩く練習を取り入れていくと安心です。

ただし、早くはじめればよいというわけでもありません。時期にこだわるより、お子さまの様子を見ながら取り組むことを優先してください。

まとめ

就学準備では、入学後の生活をイメージしながら、子どもが自分で行動する場面を少しずつ増やしていくことが大切です。園生活から小学校生活への変化を知っておくと、家庭で取り組みたいことも整理しやすくなります。入学が近づいたら、起床時間や通学など、実際の学校生活を意識した練習も取り入れてみましょう。

入学前は、保護者の方も不安を感じやすい時期です。すべてを完璧にできるようにするのではなく、お子さまのペースに合わせて少しずつ進めてください。

気になる点が続く場合は、1人で抱え込まず、通っている幼稚園や保育園の先生、自治体の相談窓口に相談してみましょう。第三者の意見を聞くと、家庭で取り組む内容を整理しやすくなります。

多くの幼稚園や保育園では、年長時期になると小学校生活を見据えた生活リズムづくりや集団活動のサポートを丁寧に行っています。これから園選びをする方や就学準備に不安がある方は、見学や説明会などを通して「就学に向けてどのようなサポートや取り組みを行っているか」を気軽に確認してみるのもおすすめです。

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