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「うちの子、なかなか歯磨きを嫌がって困る」
「お片づけや着替えを自分でやってくれない」
など、幼児の生活習慣づけに悩む保護者の方は多いのではないでしょうか?
歯磨き、食事、着替え、あいさつ、お片づけといった生活習慣は、幼児期にしっかりと身につけておきたい大切な力です。
しかし、子どもの性格やペースはそれぞれ異なるため、「どう教えればいいのかわからない」「つい叱ってしまう」と悩む保護者も少なくありません。

そこで本記事では、幼児期に身につけたい基本的な生活習慣や社会的な生活習慣の内容から、具体的な身につけ方、教えるときに意識したいポイントまで、わかりやすくご紹介します。

幼児期に生活習慣を身につけることは、なぜ大切なの?

幼児期は、脳や身体が急速に発達するきわめて重要な時期です。
この時期に望ましい生活習慣(睡眠、食事、排泄、清潔、着替えなど)を身につけることは、単に「自分の身の回りのことができるようになる」というだけでなく、子どもの一生の土台を作る大きな意味を持っています。
文部科学省の「幼児期運動指針」や厚生労働省の「保育所保育指針」等でも指摘されている通り、規則正しい生活習慣は、健康な身体を育み、自立心や自己肯定感を養うために不可欠です。

毎日決まったリズムで生活することで、子どもは「見通し」を持って行動できるようになり、情緒が安定します。
また、「自分でできた!」という達成感が自信へとつながり、新しいことへ挑戦する意欲(主体性)を育むのです。


幼児期に身に付けたい生活習慣

幼児期に身につけたい生活習慣は、大きく分けて「基本的な生活習慣」と「社会的な生活習慣」の2つがあります。

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

基本的な生活習慣

基本的な生活習慣とは、人間が生きていく上でベースとなる生理的な活動に関する習慣です。

主に以下の5つが挙げられます。

・食事: スプーンやフォーク、箸を正しく使い、決まった時間に進んで食べる。
・睡眠: 早寝早起きをし、十分な睡眠時間を確保して生活リズムを整える。
・排泄: 尿意や便意を感じたらトイレに行き、自分で排泄ができるようになる(トイレトレーニング)。
・清潔・衣服の着脱: 手洗い・うがい、歯磨き、入浴などで身体を清潔に保つ。また、自分で服を着脱する。

社会的な生活習慣

社会的な生活習慣とは、集団生活や社会の中で他人と心地よく関わっていくための習慣です。

幼稚園や保育園、小学校以降の生活において非常に重要になります。

・あいさつ: 「おはよう」「ありがとう」「ごめんなさい」など、状況に応じた適切な言葉を相手に伝える。
・片づけ: 使ったおもちゃや道具を、元の場所に戻す。
・約束やルールの遵守: 順番を待つ、物を大切に使う、危険なことはしないなど、集団のルールを守る。

幼児の生活習慣の身につけ方

子どもが楽しみながら、自発的に生活習慣を身につけるための具体的なアプローチ方法を、項目別にご紹介します。

歯磨きの身につけ方

歯磨きを嫌がる子どもは多いですが、無理やり行うと「歯磨き=痛い・怖いもの」というネガティブなイメージが定着してしまいます。

まずは、歌を歌ったり、お気に入りのキャラクターの歯ブラシを用意したりして、楽しい雰囲気を作りましょう。親が「シャカシャカ、きれいになって気持ちいいね!」と笑顔で見本を見せ、少しでも口を開けられたら「かっこいいね!」と大げさに褒めることが大切です。

仕上げ磨きの際は、優しく声をかけながら短時間で済ませるようにしましょう。

食事の身につけ方

食事の時間は「楽しい時間」であることを実感させることが最優先です。

食事の前に「お腹がすく」リズムを作るため、日中はしっかり身体を動かして遊ばせましょう。

また、「スプーンが使えた」「野菜を一口食べられた」など、小さなできたことを見逃さずに褒めてあげましょう。

食器やランチョンマットをお気に入りのデザインにしたり、型抜きした野菜を盛り付けたりして、視覚的に食欲をそそる工夫も効果的です。

トイレの身につけ方

トイレトレーニング(トイトレ)は、子どもの身体の発達(膀胱におしっこを溜められる、一人で歩いてトイレに行けるなど)に合わせて焦らず進めることが基本です。

まずは「トイレは怖くない場所」と認識してもらうため、好きなキャラクターのスリッパやシール台紙を用意しましょう。

おしっこが出なくても、トイレの便座に座れただけで十分に素晴らしい一歩です。
成功したときは一緒に大喜びし、失敗しても決して叱らず「次は間に合うといいね」と優しく声をかけましょう。

トイレトレーニングは前回の記事も参考にしてみてください。

あいさつの身につけ方

あいさつは、言葉で「言いなさい」と強制するよりも、親自身の行動を真似させるのが最も近道です。

朝起きたら「おはよう」、ご飯を食べるときは「いただきます」、お出かけのときは「行ってきます」と、親が明るくハキハキと声をかける姿を日常的に見せましょう。

子どもが恥ずかしがって挨拶できないときは、無理強いせず、親が代わりに「こんにちは、って言おうね」と優しくフォローしてあげるだけで十分です。

お片づけの身につけ方

お片づけをスムーズに進めるコツは、「片づけやすい環境づくり」と「ゲーム化」です。

おもちゃの収納箱に「くるま」「ブロック」など、中身がわかる写真やイラストを貼り、どこに何を戻せばいいのかを視覚的にわかりやすくします。
そして、「どっちが早くお片づけできるか競争しよう!」とゲーム感覚で誘うと、子どもは喜んで取り組みます。

片づけが終わったら「お部屋がすっきりして気持ちいいね。ありがとう!」と、感謝と心地よさを伝えましょう。

幼児に生活習慣を教えるときのポイント

子どもに生活習慣を教える際、保護者が意識しておきたい共通のポイントをまとめました。

親が手本となる行動を心がける

子どもは親の行動を本当によく見ています。
「早く寝なさい」と言いながら親が遅くまでテレビを見ていたり、「片づけなさい」と言いながらリビングが散らかっていたりすると、子どもは納得できません。

まずは親自身が規則正しい生活を送り、手本を示すことが何よりの教育になります。

遊び感覚で楽しく教える

幼児期の子どもは、「〜しなければならない」という義務感では動きません。
しかし、「楽しいこと」「面白いこと」には喜んで飛びつきます。

歯磨きや着替え、お片づけなど、あらゆる生活習慣を「歌」「ごっこ遊び」「キャラクターの応援」などを交えて、エンタメ化・ゲーム化してみましょう。

言葉で丁寧に説明する

「早くして!」「ちゃんとして!」といった抽象的な言葉は、幼児には伝わりません。
「お出かけするから、靴を履こうね」「おててがバイキンさんで汚れているから、泡でゴシゴシ洗おうね」というように、なぜそれをするのか、具体的にどうすればいいのかを、子どもの目線に合わせてわかりやすい言葉で丁寧に説明しましょう。

生活しやすい環境を整える

子どもの「自分でやりたい!」という意欲をサポートするためには、環境の工夫が欠かせません。
玄関に踏み台を置く、子ども用の低いハンガーラックを用意する、おもちゃ箱を出し入れしやすい場所にするなど、子どもが「大人の手を借りずに一人でできる」物理的な環境を整えてあげましょう。

時間に余裕を持って向き合う

親が忙しく、心に余裕がないときは、子どものスローペースに対してついイライラしてしまいがちです。

着替えや食事など、子どもが自分でやろうとする時は、大人がやるよりも何倍も時間がかかります。
朝の準備などは、あらかじめ30分ほどスケジュールを前倒しし、時間に余裕を持って見守れるようにしましょう。

子どものペースを大切にする

子どもの成長スピードや性格は一人ひとり異なります。
同じ年齢の他の子や、育児書の基準と比べて焦る必要はまったくありません。

「昨日はできなかったけれど、今日は便座に座れた」「一口だけ食べられた」など、その子自身の「前日からの成長」に目を向け、スモールステップで進めていきましょう。

生活習慣が身につかないときによくある悩みと対処法

実践していても、思い通りにいかないのが育児です。
よくある2大お悩みへの対処法をご紹介します。

イヤイヤ期でうまく教えられないとき

2歳前後に訪れる「イヤイヤ期」は、自己主張が芽生える大切な成長の証ですが、親にとっては試練の時期です。
この時期は、何を提案しても「イヤ!」と言われがちです。

【対処法】

無理に言うことを聞かせようとせず、まずは「イヤなんだね」と気持ちを受け止め(共感)ましょう。
その上で、「赤い靴と青い靴、どっちを履く?」といった「2択の選択肢」を提示すると、自分で選びたい欲求が満たされ、スムーズに行動してくれることがあります。

どうしてもダメな時は、その日は諦めて親が手伝ってしまい、時期が過ぎるのを待つのも一つの手です。

忙しくて教える時間が取れないとき

共働き家庭やワンオペ育児など、日々の家事・育児・仕事に追われ、子どもにじっくり教える時間が取れないこともあります。

【対処法】

すべてを完璧にやろうとせず、「平日は時短・効率優先、週末にじっくり練習する」と割り切りましょう。

平日の朝など忙しい時間帯は、親が手早く着替えや食事のサポートをしてしまい、時間と心にゆとりがある夜や休日に、「自分でやってみようか」と促す形でも十分です。
また、タイマーをセットして「ピピって鳴るまでにパジャマ着られるかな?」と、親が付きっきりにならなくても動ける仕組みを作るのもおすすめです。

幼児の生活習慣に関するよくある質問と回答

 

Q. 生活習慣がなかなか身につかないと、小学校に入ってから困りますか?

A.小学校入学までに、ある程度の基本的生活習慣(早寝早起き、衣服の着脱、排泄など)が身についていると、子ども自身が集団生活にスムーズに馴染みやすくなります。

幼児期に大切なのは、「自分でできた!」という自信と、「やってみよう」とする意欲を育んでおくことです。
焦らず、ご家庭のペースで進めていきましょう。

Q. 褒めるときに、ご褒美(お菓子やシールなど)を使ってもいいですか?

A.シールを貼るなどの「ご褒美」は、子どものモチベーションを高める初期のきっかけ(動機づけ)として非常に有効です。

ただし、お菓子や高価なおもちゃを毎回渡したり、買うのは避けましょう。
物がないと何もしなくなってしまう可能性があります。

最も効果的で持続的なご褒美は、親の「笑顔」と「具体的な褒め言葉(お片づけしてくれてママ嬉しいな、など)」です。

シールなどは「トイトレの初期段階」など、期間や目的を限定して上手に活用しましょう。

まとめ


幼児期の生活習慣づくりは、一朝一夕にはいきません。
昨日できたことが今日はできない、といった一進一退を繰り返しながら、子どもは少しずつ身につけていきます。

最も大切なのは、親が焦らず、イライラせず、子どもと一緒に「楽しむ」姿勢を持つことです。

子どもの「やりたい!」という気持ちを尊重し、スモールステップでできたことをたくさん褒めてあげてください。

親子の笑顔あふれるコミュニケーションの中で、一生モノの健康で自立した生活習慣の土台を育んでいきましょう。

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